自然乾燥とドライヤー、髪にやさしいのは?「熱を使わなければ安心」の落とし穴

自然乾燥とドライヤーの違いを解説する美容師とメガネの女性。髪にやさしい乾かし方を考える表紙。 blog

J’sの森泉です。

「ドライヤーは熱で傷みそうだから、自然乾燥のほうがいいのかな?」と思ったこと、ありませんか。
熱を避けたい気持ちはわかりますし、反対に「自然乾燥は絶対ダメ」と聞くと、どちらを選ぶか迷いますよね。

先にお伝えすると、自然乾燥かドライヤーか、名前だけでは決められません。 熱の当て方や髪の扱い方まで、一緒に考えたいところです。

今回は「ドライヤーを使えば傷まない」という話でも、「自然乾燥をしたら必ず傷む」という話でもありません。
家での乾かし方を、無理なく見直すために整理してみましょう。

まずは、それぞれ何が違うのか

自然乾燥はドライヤーの熱を使わずに乾かす方法です。ただし、乾くまでにどのくらいかかるかは、髪の長さや量、室内の環境などで変わります。

ドライヤーは風を使って乾燥を助けます。温風を使う場合は、温度だけでなく、髪との距離や、一か所に当てる時間も気にしておきたいですね。

比べるところ自然乾燥ドライヤー
ドライヤーの熱使わないモードや設定で異なる
乾燥の進め方周囲の空気の中で乾かす風で乾燥を助ける
見直すポイント乾き具合、濡れた髪の扱い方温度、距離、同じ場所への当てすぎ
選ぶとき髪質や仕上がりも考える髪質と機種の使用方法も確認する

比較するのは「自然か機械か」だけではなく、どう乾かすか。ここが今日のポイントです。

「自然乾燥は絶対NG」とは言い切れません

実は、米国皮膚科学会の案内には、自然乾燥も選択肢として挙げられています。スタイリング前に、ある程度自然に乾かす方法も紹介されています。米国皮膚科学会:髪を傷めにくいスタイリング

ですから、「専門家はみんな、自然乾燥はダメと言っている」とまとめるのは正確ではありません。
髪質やスタイリングの目的に応じて、熱を使う機会や使い方を考える、という見方も必要です。

一方で、自然乾燥にすれば、濡れた髪をどんなふうに扱ってもよい、という意味ではありません。
乾くまでの間に、強くこすったり無理に引っ張ったりする扱い方は避けたいですね。

「論文ではドライヤーのほうがいい」は、どこまで本当?

2011年の毛束実験では、高温になるほど髪表面の傷みが増える傾向があり、自然乾燥群では細胞同士をつなぐ部分(CMC)の変化が報告されました。Leeら:毛髪と乾燥条件の研究

ここから「自然乾燥は必ず内部を壊す」と広げるのは、少し飛躍があります。特定の毛束と条件での実験で、人の頭皮や抜け毛を調べた試験ではありません。結果は、何を観察したかによっても分けて読む必要があります。

論文に出てくる距離や温度も、すべてのドライヤーで使える安全基準ではありません。
「何センチなら傷まない」と数字だけ覚えるより、手元の機種の説明書を確認してくださいね。

まずはタオルで、こすらず水気を取る

ドライヤーを使う前に見直しやすいのが、タオルの使い方です。髪をゴシゴシこするより、タオルで包んでやさしく水分を吸い取ります。米国皮膚科学会:健康な髪のためのヒント

「早く乾かしたいから」と、タオルで何度も強くこすらなくて大丈夫。長い髪なら、中間から毛先を包んで、そっと押さえるイメージです。

絡まりがあるときも、強引にブラシを引き抜かないようにしましょう。濡れた状態でのとかし方は髪質によって違うので、くせの強い髪も、まっすぐな髪も、同じ手順にそろえる必要はありません。

ドライヤーは、温度・距離・動きをセットで

乾かすときは、まず低めの温度から試し、使っている機種の距離やモードの案内を確認しましょう。米国皮膚科学会も、熱を使う際は低温または中温の設定などを案内しています。米国皮膚科学会:熱への配慮

さらに、同じ場所に温風を当て続けず、動かしながら乾かします。パナソニックの使い方案内にも、髪から離して軽く振り、根元から中間、毛先へと乾かす手順があります。距離やモードは機種ごとの説明を優先してください。パナソニック:乾かし方の案内

私が見直してもらいたいのは、「熱いのを我慢して、近くから一気に乾かす」ような使い方です。熱いと感じるなら、温度や距離、当てる場所を変えてみてください。

表面だけでなく、根元や内側も確認

長い髪や毛量の多い髪では、外側だけを見ていると、内側の乾き具合がわかりにくいことがあります。髪を軽く分け、根元、内側、毛先も確認してみましょう。

そのとき、もう乾いている毛先に、温風を何度も当て続ける必要はありません。
乾き具合を見て、まだ湿っているところへ風を移す。時間だけで決めず、髪を見ながら調整します。

「完全に水分をゼロにする」という意味ではありませんし、何分で終えるかも髪や機種で変わります。
家で仕上げにくいところがあれば、乾かし方も一緒に相談してくださいね。

今日から見直すなら、この3つ

  1. タオルでこすらず、やさしく水気を取る。
  2. ドライヤーは温度と距離を確認し、一か所に熱を集中させない。
  3. 根元や内側も見て、髪全体の乾き具合を確認する。

「熱を使わないから安心」「ドライヤーだから安心」ではなく、髪に合わせた乾かし方を選ぶ。
ここを覚えてもらえたらと思います。

J’sで相談するときも、使っているドライヤーと、「乾かすと広がる」「内側が乾きにくい」など、困っているところを教えてください。毎日のやり方から、一緒に見直していきましょう。